"終わりの惑星のLove Song"の考察・感想

終わりの惑星のLove Songの感想、考察と、このアルバムに関係する様々なことを書き綴っておこうと思います。

ご注意

麻枝さんの音楽への愛のあまり、この文章はかなり長くなることが予想されます。

読破を目指すかたは、お手洗いを済ませ、軽食をご用意してからお読みください。



はじめに

まずは、このアルバムに収録されている麻枝准さんと、ボーカルのやなぎなぎさんについて。

このふたりが共同で作品を作るのは、今回のアルバム"終わりの惑星のLove Song"と、昨年末にコミックマーケットで頒布された先行シングル"Killer Song"が初めてのことです。

それ以前にも、麻枝准さんの所属するゲームブランド"Key"のPCゲーム"Rewrite"の挿入歌をやなぎなぎさんが歌う、といったことはありました。その縁で、今回の企画が成立したということです。


麻枝さんといえば、一昔前ならKeyでシナリオライターとして活躍していた印象が強かったのではないかと思います。

最近は音楽活動にシフトしていて、質の高い作品をハイペースで世に送り出しています。

2010年にオリジナルTVアニメ"Angel Beats!"のOP主題歌"My Soul, Your Beats!"およびED主題歌"Brave Song"だけでなく劇中のガールズバンド"Girls Dead Monster"の楽曲を自ら作詞作曲し、そのどれもオリコン上位に登場し若年層の知名度も上がってきました。

麻枝さんによれば、そもそもは音楽を作りたくて就職活動をしていたが、選好で落とされ続けて、それでもゲーム製作に関わりたくてシナリオを書いたら業界に入り込めたとのこと。

今の環境は、まさに彼にとって幸せの只中にいるようなものなのではないでしょうか。


やなぎなぎさんについては、恥ずかしながらこの企画が発表されるまで、やなぎなぎさんと"既に知っていたある人"が繋がっていませんでした。

Rewriteのクレジットでも何度かお名前は見かけていたのですが……。

最近やなぎなぎ名義でのメジャーソロデビューを果たしたということで全く知らない方かと思いきや、TVアニメ化物語の主題歌、君の知らない物語などを歌っていたsupercellのボーカルnagiさんのことでした。

古くはニコニコ動画で、ガゼル名義で活動されていた事も、もちろん存じていました。

supercellについても、色々と書きたい事があるのですが、ただでさえ長くなりそうなのでここでは割愛させて頂きます。


つまりこのFLAMING JUNE 麻枝准×やなぎなぎの企画は、どちらも私が以前から大好きなアーティストだったのです。

あのKeyの麻枝准と、あのsupercellのボーカルを務めたnagi=やなぎなぎさんの音楽が聴けるなんて!

勝った、この勝負、もらった!!


前置きが長くなりましたが、この文章はこのような嬉しさを原動力に、一気に書いたものです。

(嘘です。何日かに分けて書いて、一通り推敲も行いました。)


各曲の考察

それでは、全13+1曲の感想と考察を書いていきたいと思います。


1. "終わりの世界から"

以前にも日記の方で考察した(No.1466: "終わりの世界から" - Flaming June "終わりの惑星のLove Song" 考察その1)のですが、あの頃は先行シングル発売直後ということで、PVもなく妄想豊かに色々好き勝手に書いていました。映像が無ければ今でもあの解釈(百合ソングであって欲しい云々)はありだと思っていますが、映像にも麻枝さんの監修が当然ながら入っていると考え、きちんとした考察をやり直す必要があると考えていました。


まずこの曲、終わりの世界からがアルバムの1曲目に配置されている理由を考えたいと思います。

結論から言えば、この曲に登場する少女が行ったタイムリープが原因で世界が破滅したのではないか?と考えています。


PVで描かれているように、この曲の冒頭では世界は花が咲いて、色に満ちた世界ですが、ばらばらになった時空に吸い込まれた後、目覚めた世界は一面灰色、色を失った世界でした。

1曲目にして、かつては緑豊かなごく普通の惑星だったのに、一面灰色の荒廃した世界に変貌してしまうという世界観が明かされているのです。


曲に付いての考察ですから、音についても触れておきたいと思います。

アウトロが先行シングルのものと異なっていて、次の曲、ふたりだけのArkへと繋がるようになっています。

他の曲ではこういう演出がないのですが、この意図も気になるところです。

"終わりの世界から"から全ては始まったのだということを示唆しているのでしょうか。


もう一つ音について思ったことがあります。

この3カ所で、警戒音のような高い音がくり返し鳴っている部分がありますよね。

聴いているだけで心拍数が上がっていくような演出で、少女の決断や過ちを警告しているような演出だなぁと思いました。

この3カ所で少女は


そしてその3回の決断の行く先は、一面灰色の世界でした。


2. "ふたりだけのArk"

夢にすがりたいだけの


"今や世界は呪われたように退廃し"から始まる。

すでに終わりつつある世界が描かれています。

ブックレットの挿絵も灰色か白一色です。


あるかも定かではない希望の船を探して、ふたりで旅をする。

守ろうとする側が、最終的に守るべき対象に助けられている話。

こういう話に弱いので、もっと書いて欲しいですね。


3. "Killer Song"

歌詞で全てを語られてしまっているので、考察する余地が見あたりませんね。

先行シングルのタイトルにもなっていますが、収録曲の中ではあまり好きになれなかった曲と言ってしまっても良いかも知れません。

世界観を描くという役割は立派に果たしていると思います。


生きていくためには人を殺めることは仕方のないことだと、そういう世界だと語られています。

後で出てくる、とある海賊王の気まぐれの「生きるための犠牲だ」とも共通していますね。


遠い孤児院の井戸へ続く水脈を見つけてしまったことが事件のきっかけになる。

孤児院を守るために口を割らない青年と、救うために仲間を殺める少女。


4. "Flower Garden"

なにもかもが狂った世界で

きみだけが綺麗なものに見えた


綺麗なピアノリフが印象的で、しっとりと歌い上げるバラード。

でありながらも、変拍子が凄いことになっている曲。

複雑なリズムながら、一度きけばすんなりと頭のなかでループしつづける、そんな曲。


題名の通りに「花畑」で眠る少女の絵が描かれていています。


歌詞をじっくり聴いていると、かなり衝撃的です。 2010年代の麻枝准がこういう詞を書くのか、という意味での衝撃。


歌詞をそのまま読めばこの女の子は娼婦ですよね。

「花」もごく一般的にその隠語として使われるのでここは確定かと思います。


本物の「花」なんてこの地上のどこを探しても、存在しない、「夢」のようなもの。

そんな退廃した世界で暮らしているようです。

地下に作られた大きなシェルターか何かで暮らしているのでしょうか。


「造花」を作って彼女が目を醒ます日を待ち続けるラストが切なくて、綺麗ですよね。


5. "無敵のSoldier"

無敵のSoldierを倒すことで、無敵の女戦士になってしまった少女のお話ですね。

歌詞はとても分かりやすいですが、

曲としては大変なことになっています。

カラオケで配信されても歌うのは厳しいでしょうね。

最初に公式サイトに歌詞の一部が載った時は、どうしちゃったの……と思ったものです。


いきなり決着が付いたところから始まり、少女と剣士の出逢いを歌い上げ、決闘、そして利き腕じゃなかったという衝撃のラスト


結A→起→承→転→結B


曲調の激しさに見合う、激しい物語の魅せ方が素敵ですね。

6. "凍る夢"

ポエットリーディング

詩を朗読するようにして物語を表現している曲。


この曲に関しての第一印象は、「やられた!」一言で表せばまさにそれに尽きます。

事前に放送された殺伐ニコ生でも試聴できたのですが、そのときに公開された範囲で思い描くストーリーと、実際にCDを買って聴いて思い描くストーリーが全然違ってきこえるんですよね、この曲は。これもすべて、作戦大成功!なんでしょうね。

この話はどうやって終わるのだろう、もうあと数十秒しかないぞ!と思いながら聴いていたのですが、最後の数秒で、思考が停止しました。


バグが発生しました。


「バグ」という言葉の意味は?何かの比喩なのか、それともまさに「バグ」そのものなのか。


唐突に現れた「ヘッドセットマイクを付けた女性」は誰?

どうして「私」が二人になった?

日記に書かれていることと記憶が一致しないの?


少女の恋愛を描く話だと思ったらホラー、でもホラーだと思ったらSFなの?と急展開過ぎて訳がわからない。


仮説その1:ヒロインは下位世界で仮想の高校生活を送っていた(本命)

凍る夢のこの高校生活が、ゲームのような仮想世界の出来事なのではないか?

そう考えることで、いくつかの謎は矛盾なく説明できます。

「ヘッドセットマイクを付けた女性」は仮想世界を提供する施設の人。

背景として想像できるのは、人々は荒廃した惑星で生きるのを諦めて、仮想世界で暮らすようになった、というようなところか。

Flower Gardenでは「花」は地上を探してもみつからない「夢」のようなもの、と云われていましたし。

この世界はそんな「夢」なのかも知れません。

世界が再生されるまで肉体を維持するコールドスリープのような装置なのかも。

でも、そんな逃避先である「夢」までも狂いだした……と。


世界が狂いだした理由は?

まずは作中では仮想世界が恋愛AVGみたいなイメージになっているのですが、そもそもの目的が精神的な逃避先であるという前提で考えていきます。


仮想世界で「恋」をするということはどういうことか?

仮想世界で子孫を繁栄させることはできないのに、それでも「恋」は必要なのか?

逃避という目的からはずれるから、「恋」は世界の危険因子「バグ」として処理されたのではないだろうか?


本当に「記憶喪失の嘘」から始まった?

仮想世界で自分を自分だと判断できるものは「自分の記憶」だけ。

その「記憶」に関する虚偽申告により、仮想世界に歪みが生じたのではないだろうか?


仮説その2:ヒロインは上位世界から干渉を受けた(大穴狙い)

たしかに現実世界("終わりの惑星"のどこか)で高校生活を送っていたが、その世界はより高次元の世界により干渉を受ける世界だった。

結局は仮想世界のようなものですが、この場合のヘッドセットマイクの女性は、神にも等しい上位世界の存在ということになります。

麻枝さんが以前から大好きだと公言していたスターオーシャン3はこちらのタイプの世界でした。

スターオーシャン3では、ゲームの終盤で、これまでの舞台(SO1~3全ての舞台)は、より高次の存在が作り出した「エターナルスフィア」と呼ばれる仮想の宇宙だったということが明らかになります。


4月31日の時点で、その日付が存在するという点だけでも、世界に歪みが生じ始めているんですよね。

お寺に行こうと言ったのに明治神宮(神社)に行った点もホラーですね!!

明治神宮の件は、さすがに麻枝さんが間違えてしまっただけでしょうか。

でも麻枝さんは、たしか三重県(伊勢?)出身だし、神宮を寺と素で間違えたりしないような……?


7, "Executionerの恋"

この歌は死刑執行人の青年がダメな男すぎて、非常に好感が持てますね。

惚れてしまったのだから、撃てなくても仕方が無い。

好きです、そういう破滅をも恐れぬ恋心は。


死刑を執行すべき対象に恋心を抱き、逃がす。

どころか、一緒に逃げ出して、やらなきゃ良かったと後悔までするダメさ加減。


同情しきってたという理由でお金を盗まれる。


面白いことに、そんな彼も無事に職場復帰できたのですね。

ゆるい職場だなぁ……。

ただし逃げ出さないように厳重に足枷を付けられていましたが。


結局撃たない青年。


挿絵をよく見ると、少女の手にはナイフが握られています。

後述するHeroの条件での描写から想像すると、この後、少女は青年を吊すロープをナイフで切って、二人で今度こそ逃げたんだと思います。一度ならず二度も命を救われたことで少女も青年に思うところがあったのかも知れません。処刑場から始まる恋、そんな恋があっても良いと思います。


イラストはKeyのNa-Gaさん。

麻枝さんとはリトバス、Angel Beats!で共闘してきたもはや盟友とも言うべき原画家、グラフィッカーです。

そのNa-Gaさんの描く青年がエロく、吊されて光のない瞳が凄く印象的です。


8. "とある海賊王の気まぐれ"

家族を失った土地=陸地を捨てて海へ漕ぎ出した少女の話。

「義手」がくり返し現れるのが印象的です。

海賊で義手と言えば、破落戸で、恐怖感を増幅する効果があると思うのですが、この曲では全く逆の役割がありました。


後半で服を脱いた海賊王は、義手どころか体の半分が鉄で出来ていた。

「俺も弱い者だ」という言葉がこの描写で補強される。


アルバム製作の最後の方に書かれた曲で、山も砂漠も書いてしまったのでもう「海」しか残っていなかった……ということらしいですね。


9. "雪の降らない星"

この曲のタイトルでは、「惑星」ではなくて「星」という表記が使われています。

何か意図があるような気がするも、結論は出せていません。


学生時代の曲をすこし手直しして収録したということで、他の曲のような太いリンクが無いのかも知れませんね。


「本当の終わり」が何なのか、考えていますが、まだ固まっていません。


10. "火吹き山の魔法使い"

全13曲の中で、かなりファンタジー色の強い曲です。

魔法を使える石があるようです。


この曲は女の子視点の曲ですね。

きみ(男の子)と一緒に竜がいる火山を目指して冒険する話。


11. "Last Smile"

点滴に繋がれて無菌室の中で暮らす少女(ガラスの向こうの研究者)と、外の少年。

ガラスで隔てられて触れることも出来ない二人の恋の歌。


少女を救おうともがく少年と、世界と子供を救おうとしていたけど出来ないことに涙を流す少女。

そんな二人が最後には、ガラス越しに触れ合って同じ時間を過ごすという話。


やっぱり少女は死んでしまったのだと思います。

この曲で何が救いなのかと言えば、最期までガラス越しで触れ合っていられたことなのでしょう。


12. "Heroの条件"

まずは、設定とかそういうのを考えずに曲単体での感想です。

曲単体でも素晴らしい

この曲は、アルバムを離れて、この曲だけを聴いたときでも十分に名曲だと思います。

最初に志した大きな夢が叶わなくても、偉業を成し遂げようとして挫折して、己の無力さを思い知っても、それでもその先に何かそんな自分にできることがある。他人笑顔を送ること、世界が救えなくても目の前にいる人に笑ってもらうことはできる、成すべき事をなせば誰かに影響を及ぼすことができるんだという、そんな曲です。


曲のラストの「僕は好きだよ」の一言で全てが報われているような、救われているような、そんな終わり方も素敵ですね。

編曲された方も、ここは特に印象的になるようにしたと語っておられましたし。


他の曲との繋がり

12曲目のHeroの条件では、これまでの曲の後日談が描かれています。

登場する曲は以下の8曲。


ある時は火山に暮らす魔法使いに

-"火吹き山の魔法使い"


ある時はガラスの向こうの研究者に

-"Last Smile"


ある時は難攻不落の城の王に

-"Killer Song"


ある時は無敵とされる女戦士に

-"無敵のSoldier"


ある人は希望の船を見つけてそらへと

-"ふたりだけのArk"


ある人は処刑する人と助け合ったと

-"Executionerの恋"


ある人は忘れた笑顔を取り戻したと

-"終わりの世界から"


ある人は本当の花を咲かせて見せたと

-"Flower Garden"


結局誰も集まってはくれなかった

ニコ生やUstreamで試聴した時は、みんなが集結して世界を救う方法を見つけ出す物語なのかなぁとそんな展開を思い描いていました。

でも、どうやって世界を救うんだろう、と色々考えていました。

実際には誰も集まらなかった。それが現実なような気もしますね。

みんなそれぞれ必死に生きているのだから。

実に麻枝さんらしい。


13. "この惑星のBirthday Song"

これまでの全12曲を受けて、最後に解き放たれる感じが素晴らしい。

長々とした考察は要らないような気もしますが、最後なので少し書きましょうか。


過酷な世界で、新しい生命を産み落とそうとする男女の話ですね。

出産というテーマが直截描かれるのは、CLANNAD以来でしょうか。

生きることは素晴らしいということは、Angel Beats!でも描かれていました。

こんな世界でも生きることは素晴らしい、生まれてくる命に祝福を……。


c/w "きみのairplane"

終わりの惑星の、どうしようもなく終わってしまっている世界を描く小編……といったところでしょうか。

作品としては関係がないですが、同人CD"此/彼/方"に同メロディーの曲が収録されているとのこと。

この記事を書いている時点で何度か出品のあったヤフオクでは最終的な落札相場が12,000円ぐらいになっていました。興味ある方は探してみるのも良いでしょう。

終わりの惑星の時系列


"終わりの世界から"の冒頭

花が咲き、色に満ちた、春が描かれています。

学校に通う日常もあり、どこからどうみても平和そのもの、素敵な世界です。

この時点では、世界は破滅していないし、惑星もまだ終わっていませんね。


"終わりの世界から"のタイムリープ後

少女の小学生時代にタイムリープしているので、冒頭以前の世界でしょう。


"終わりの世界から"のラスト

一面灰色の世界。

この時点が、時間軸上のどこに位置するのか。

PVの映像を見る限りでは、冒頭よりも未来の世界が描かれているように見えます。

よって、これは世界が滅びた後です。

"Heroの条件"により、滅びた後の世界なのは確定。


"ふたりだけのArk"

世界は呪われたように退廃し、生き物たちは滅んでいく

人々は希望にすがろうとして、宇宙へ飛び立つ船を造っている、またはそんなことが噂されるような世界です。

よって、これは世界が滅びた後です。

"Heroの条件"により、滅びた後の世界なのは確定。


"Killer Song"

季節は狂ったままで秋のあと夏がきた

季節が狂っていて、人々は水を探し求めている。

よって、これは世界が滅びた後です。

"Heroの条件"により、滅びた後の世界なのは確定。


"Flower Garden"

何もかもが狂った世界で

そんなことで世界は元に戻りはしない

よって、これは世界が滅びた後です。


"無敵のSoldier"

単独での時系列は不明。

ただ、こんな絵に描いたような世紀末的惨状が元の世界だったら悲しいので、世界が滅びた後であると見るのが自然でしょう。

"Heroの条件"により、滅びた後の世界なのは確定。


"凍る夢"

特殊な位置づけになる可能性も。

というのも、Heroの条件では触れられておらず、単純に同じ時間軸上で語ることが出来ないのかも知れません。

ただし4月11日から始まる日付の付いた部分では、携帯電話が使用可能で、ごく普通に高校生活を送っている描写があります。

よって、そのまま素直に解釈すれば、世界がまともに機能していた時代……の末期ですね。


6月31日の次に目覚めた時点で、「バグが発生しました」と宣告されますが、この時点での時系列は不明。

目覚めたら7月1日なのか、別の次元の異なる日付なのか。

そのまま素直に解釈すれば、ヘッドセットマイクが使えるので、電力は供給されているようです。


"Excutionerの恋"

"Heroの条件"により、滅びた後の世界なのは確定。


"とある海賊王の気まぐれ"

単独で時系列確定要素薄い。

Heroの条件では触れられず。


家族を失った土地を捨て

「生きるため」に海賊行為をしている

これだけでは時系列を確定出来ません。


ただし、この世界は平和ではないようですね。

ある程度高い確率で、滅びた後の世界なのでしょう。

Heroの条件で語られていない理由ですが、少年は歩いて世界を旅していたので、海の上の海賊王と少女には会えなかったのかもしれません。


"雪の降らない星"

単独での時系列決定できず。

Heroの条件で触れられず。

雪の溶ける描写で、だんだん滅びて行く途上なのかなぁと思っています。


"火吹き山の魔法使い"

"Heroの条件"により、滅びた後の世界なのは確定。


"Last Smile"

"Heroの条件"により、滅びた後の世界なのは確定。


"Heroの条件"

世界を救おうとする少年の物語なので、もちろん世界は救われるべき状況に陥っています。

この曲はわりと時間経過がある曲なのですが、少年が歩いて旅をしているあいだに、8人の賢人たちの物語が同時進行または完結しています。よって、この曲がかなり時系列上では後の方に位置していることが分かります。


"きみのairplane"

アルバム未収録曲。

飛行機に詰める燃料が片道しかないような世界。

昔は鳥が飛んでいた、終末を感じさせる世界です。


終わりの世界から(タイムリープ後)

終わりの世界から(遠くから来たことを告げた=ばらばらになった時空に吸い込まれる)

終わりの世界から(冒頭=開始時点)

雪の降らない星?

終わりの世界から(ラスト)

Heroの条件で後日談のある曲

とある海賊王の気まぐれ

凍る夢

きみのairplane

Heroの条件

この惑星のBirthday Song


なお、殺伐ニコ生にて、麻枝さんがポロっと、"終わりの世界から"は何十年と離れたところから来ているといったニュアンスの発言をしていたので、この惑星は何かのきっかけから滅びが始まり、数十年以内に作中のような退廃しきった世界になってしまったものと思われます。せいぜい2、30年の話だとは思いますが。

終わりの惑星の不思議な力

不思議な力がごく普通に存在する世界観のようです。

具体的にはどのような能力、不思議な力が出てくるのでしょうか?


タイムリープする能力

終わりの世界からの少女が使える能力。

時間を遡ることができるが、未来には跳ぶことが出来ない。


真実だけが見える能力

Killer Songの青年が使う能力

眼が見えない代わりに真実だけを見ることができる。

この力のおかげで難攻不落の城の王になることが出来た。


魔法

火吹き山の魔法使いに登場する石によって行使できる不思議な力「魔法」。


具体的に列挙しようとすると、意外に少ないことが分かりました。

もっと全曲に散らばっているのかと思っていたのですが。


ただの推測ですが、

終わりの世界からのタイムリープが不自然に見えないようにKiller Songにも能力を描いてみたがいまいち派手さにかけるので、火吹き山の魔法使いでもっと不自然に見える魔法の石というアイテムを出してみた

……のではないでしょうか?全体の構成を考えたときに、終わりの世界からのタイムリープが浮いて見えるのはマズイわけで。ごくあたりまえに、ちょっとだけ不思議な力が存在する世界なんだよって。


終わりの惑星の環境

それぞれの歌詞から、おぼろげに見えてくる終わりの惑星の環境や生態系について。

()内は挿絵の描写や、終わりの惑星の描写として疑問の残るもの。


凍る夢の位置づけについて

"凍る夢"は部分に過ぎない vs "凍る夢"は全体に影響を及ぼす

凍る夢については曲の考察でも書いています。

この曲はいったいなんのために挿入されているのか。

アルバム全体というか、世界観を揺るがす何かがあるのではないか。

そのあたりを考察したいと思います。


曲の考察で、上位世界、下位世界を考えました。


ただ単に、生きることも困難な過酷な世界を捨てて、現実世界より下位の仮想世界で夢を見ていた(肉体は同次元、精神だけ逃避)というのが一応の結論です。

つまり、"凍る夢"開始時の少女は、他の曲の現実世界よりもひとつ次元の低い世界を現実世界だと捉えていたということになります。

その場合は、"凍る夢"は終わりの惑星という大きな世界のなかの、ひとつの物語という位置づけになります。


一方で、こちらはそうだったら面白いなぐらいの考察です。

凍る夢開始時が他の曲と同次元だったと考えると、この少女だけは最後に上位世界に脱出してしまったことになります。

仮想世界のシステムにバグが発生して、狂い始めたことが、惑星が狂い始めた原因だと。

他の曲では、そんな世界でも強く生きていく人々が描かれ、凍る夢ではその例外が描かれた、と考えることができます。

ただし何故、彼女だけが上位世界に移動したのか、根拠は乏しいです。

弱いながらも強いて挙げるなら、ありのままの自分で生きることを放棄したため、代わりの自分が現れて、重複した余分なものとして世界から追い出された、といった所でしょうか。

現実味のない話ですが、そういった世界の仕組みがあったのかも知れません。


"終わりの世界から"と"凍る夢"世界を壊したのはどっち?

どちらでも無いのかも知れません。

そもそもセカイ系には、セカイが壊れる原因を詳細に描く必要はありません。

事実としてセカイが壊れるのであれば、経緯は最終戦争でも、放射能汚染でも、地殻変動でも、何でも良いのですから。

それでもなお、原因をどこかに求めるのなら、可能性はこの2曲に絞られるかと思います。


"終わりの世界から"で少女が直観したように、遠くから来たことを伝えることはダメなことだった。

別の時間から来たことを伝えたことが原因で、世界は壊れてしまった。

因果律とかタイムパラドックスとか、そういった言葉を使って説明される事象なのかも知れません。


"凍る夢"で少女が記憶喪失のふりをしたことで、世界に狂いが生じた。

少なくとも"凍る夢"の中の少女は、すべて記憶喪失の嘘から始まったと後悔しています。

4月31日、6月31日など、あり得ない日付にも世界の狂いが描かれています。

自分からの電話が掛かってきたり、もう一人自分がいるような気配を感じたり、遂には居場所を乗っ取られたり。


どちらも意識が一度途切れて目が覚めるという共通点がありますね。

そして目覚めたらそこは一面灰色の世界

次目覚めるとヘッドセットマイクを付けた女性が私を見下ろしこう告げた「バグが発生しました」と


その他、雑記

ブックレットの黒地と白地になにか意図はあるのだろうか?

ダークな世界観の曲には黒?って思いもしたが、たぶん関係ないでしょうね。

ただのデザイン的な理由かと。

挿絵の色が暗めだと、右側の歌詞部分も黒くなるようですね。


"終わりの惑星のLove Song"は、つまり、麻枝准なりの"planetarian"だった

誰かは、麻枝准なりのRewriteだったと解釈していたので、私は麻枝准なりのplanetarianだったという線を書き記しておこうかと思いました。

終わってしまった世界で、それでもなお、明日へと生きていく人が描かれる作品なので、言ってしまえば同ジャンルですよね。

涼元さんが文章で描いたのが"planetarian"、麻枝准が音楽で表現したのが"終わりの惑星のLove Song"

"FLAMING JUNE"の作品の型番について

CDには通常、型番が振られています。FLAMING JUNEの型番は以下のようになっています。

いきなりFJCDとFJMCが混在しているのですが……。誤植?

FJMCはFLAMING JUNEのMajorCDの略です、とかそんな感じに好意的に解釈できなくも無いですが、どうあっても微妙な感じがします。

連想したもの

あんまり多くの作品に触れていないので、そこから連想したモノを挙げたところで笑われるのがオチかも知れませんが、この作品を聴いていて思い出したいろいろなものを列挙しておこうと思います。

まどか☆マギカ

時をかける少女

Dome Children

ルカ―楽園の囚われ人たち

最終兵器彼女

パララバ

キノの旅

なるたる

Persona4

反応をお待ちしております

Twitter→ @lakililac

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